CES-Alphaの数学演習テスト機能は、PythonのSymPyと独自の数式処理エンジンを用いた自動採点システムです。他にも同様のシステムは、Moodle STACKやWirisQuizzesなどがあります。通常の学習管理システム(LMS)の標準機能の穴埋め問題の場合は、学習者の解答を予測して、解答パターンを準備しなくてはなりません。CES-AlphaやMoodle STACKのように数式処理エンジンを搭載したLMSの場合、用意する解答は1つだけでよく、式が等価であれば正解と判定してくれます。
CES-AlphaとMoodle STACK、WirisQuizzesとの違いは、時間をかけず問題作成できる点です。例えば、「f(x)=2x+1 の導関数 f'(x) を求めよ。」のような問題を出題したければ、TeX形式で表した後、乱数で値を決めたい係数や定数項を変数 a や b に書き換えるだけです。乱数の発生のさせ方も「a=2,…,5」や「b=-5,…,-1,1,…,10」のように記述するだけで、問題作成に時間がかかりません。
さらに、マーク式の解答も簡単に作成できるので、中学生や高校生にとっても有用なツールとなり得ます。私の場合、マーク式の解答は、生徒が答えだけ合えばよいという結果主義にならないように、途中経過をノートに問題とともに記述するように伝えています。加えて、マーク形式は、解答の書き方の作法を学ぶという視点で生徒に利用してもらっています。
間違えた問題は、全て正解するまで何度でもチャレンジすることが可能です。多くのLMSでは解答するごとに乱数を発生させるため問題が少し変更されてしまいますが CES-Alpha は最初に取り組んだ問題を維持してくれます。CES-Alphaを使用することで、生徒はどこを間違えたのかを自ら発見する事ができ、自身の間違えやすい箇所を認識することができます。
生徒は自宅で時間をかけて問題演習に取り組み、その演習内容のノートをLMSに画像提出する。教員はその画像を用いて解答者を匿名にした解答記述を授業中にプロジェクタなどで共有し、教室の皆で、条件は抜けていないか、どうすれば読みやすい解答になるか、などをディスカッションする。そのような授業展開を可能にしてくれるシステムです。
すぐに正解・不正解の結果がわかるため、生徒一人ひとりにあったテンポで進めることができます。自身のリズムで進められることで、間違いへの気づきや正解したときの嬉しさを感じられるようで、Slow Learner にとってもよいシステムです。生徒の知識・技能の伸長だけでなく、学びに向かう力を育むきっかけになると感じています。